2021年 08月 30日
ヤマセ みかん水
よく見かけますが、唯一と言ってもいいかもしれない四角い形が特徴的なみかん水の瓶です
やっぱり、このスーッと長い首は変わりないですね
前面には[^セ 山岸]と味わいのある字体で、製造元のエンボスが入っています
これは静岡県島田市寺町にあった、ヤマセ飲料製造場のもので、他にもラムネやフルーツジュースを製造していたようです
右側の瓶が若干傾いているように見えますが、実際に底の成形が不十分で歪んでいます
こういった甘い造りは、当時の緩い世相が垣間見えて素敵ですよね!
底を見てみると、瓶の中はこんな風に×の形になっており、一度乾いてしまうとなかなか洗うのに難儀しそうな形になっています
左側の瓶の口元はキュッと絞ったようになっていて、瓶一つとってもこういったバラつきが見られるのもこの頃の瓶の大きな特徴です
いくつも見られる細長い気泡からも、ガラスが柔らかいうちに首をニューッと伸ばしたことが窺えます
肩には特大の気泡が入っています
現在の感覚から考えれば、内側か外側に破けてしまいそうで危なっかしく写りますが、もう今では見かける機会もそうないものです
みかん水、今まで掘りでは出せてないんですが…
なんとか地元もののみかん水を見つけたいものです!
2021年 08月 21日
皮膚美液
それがこの[皮膚美液]です!
詳しいことは分かりませんが、そのネーミングからざっくり推測してみると、昭和初期にはよく美白の宣伝に用いられていた、過酸化水素などをウリにしていた医薬化粧品だったのかもしれません
[膚]とかいう超ゴチャゴチャした漢字、よく潰れることなくエンボスできましたよね~
こういう縦向きに文字が入った薬瓶はよく見かけるパターンですが、この皮膚美液はどうも文字が大きめなような気がします
反対側には[影山薬舗製]と入っています、比較用のビー玉置く側間違えましたね…
影山さんというお名前はわりと珍しいような気がしましたが、調べてみたらけっこういらっしゃるようですね~
私の方がよほど少数派でした…
昔の瓶は手造りによる差異が魅力の一つで、この瓶はそれぞれ左側が短く、右側が長くなっています
さらに、右側はれっきとしたコバルトブルーの色合いなんですが、左側は若干薄く、一般に青色と呼ばれるような色味になっています
しかし、首が曲がっているところは両方とも同じでして、とにかくてんでバラバラな緩い造りを楽しむことができます
瓶の魅力を考える上では、エンボスは大きく多い方が良い、とか単純に思ってしまうこともありますが、色味もやっぱり濃い方がいいよなぁ、と思うこの頃です…
2021年 08月 06日
ガン・オイル
わが国にかつて存在していた、様々な文化や慣習などを窺い知ることができる点でもあります
今回はそんな中でも、なかなかに物騒なヤツをご紹介します!
ジャジャーン! その名もズバリ[銃油]です!
この大きさの角瓶にしては珍しい、少し大きめのサイズです
古きよき時代の味が存分に出ているというか、なんとも渋い字体です
銃の金へんは、金線サイダーのエンボスでもみられる異体字になっていて、独特の雰囲気を醸し出しています
裏面には、右から[岡盛]、縦に[三田商店 一手販賣]とあります
数多く瓶を集め見てきましたが、この一手販売という表記は初見でした
確かに、銃の手入れに使う油というと日本ではかなりの隙間産業だと考えられますし、全国でもこの系統の製品を製造販売していたのは多くて二~三社…
そんな製品を全て受け入れていた三田さんによって、この瓶は東北~関東で流通していたのではないかと思われます
より一層貴重なように思えますね~!
中身はありませんが、コルク栓はカッチリとはまっています
瓶の口には不自然に膨らんだところがあったりと、造りもなかなか荒く、見ていて飽きさせない瓶です!
底は縁が盛り上がっていて、真ん中は凹んでいる形を取っています
底の造りはしっかりしているので、おそらく昭和十年代かな?
他の武器関連の瓶と並べてみました、刃物の町は泉州堺の[刀剣拭用 丁子油]です!
刀と銃! スキヤキウェスタンとか須田恭也とか、ロマン溢れる組み合わせでいろいろと思い浮かびますね~
最後はやっぱり、銃とツーショット!
といっても、ディギングで出てきて気に入ったモデルガンですが…
ちゃんと全体が金属製なので、キチンと磨いてあげたいです…
ちなみに7.63(口径?)とあり、形からしてモーゼルピストルっぽいんですがどうでしょう?
MADE IN ENGLANDみたいですが…